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老後資金の貯蓄方法 では、年金受給額、ローンの一括返済、自動車の維持費、高額医療制度、保険、節約、確定申告などで無理なく老後資金を増やす方法をまとめました。

2、住宅ローンと一括返済 〜返済総額を減らす方法〜

住宅ローンと一括返済|返済総額を減らす方法を考えます

家やマンション、車などを購入する場合は、ローンを組んでいると思います。
ローンでは多額の金利を支払っているという認識はありますか? 出来るだけ返済総額を減らしたいものです。

ローンの返済総額を減らす

多くの家庭では住居ローンの返済が最も大きな負担ではないでしょうか。

2、500万円の住宅ローンを固定金利で借りて返済する場合を例に計算してみます。
尚、他のローン返済でも考え方は同じですので、参考にしてください。

返済期間と支払総額

 借入金額が2、500万で同じでも、返済期間が違うと借りる場合のローン金利が違ってきます。
 返済期間が短いと貸す方のリスクが小さいのでローン金利は小さくなります。 以下の金利は一例です。

 ローン返済期間と支払総額

 返済期間25年では、支払総額が何と3、327万円にもなります。
 2、500万円借りていましたから、827万円もの利子を支払う事になります。

 一方、返済期間10年では借入金利が小さくなり、支払総額が2、707万円です。
 利子分だけで207万円ですから25年の場合に比べて600万円も節約できます。

 以上のように、出来るだけ短期のローンを組むことで、返済総額を数百万円も節約可能になります。

     
     

借入のローン金利と支払総額

 25年固定金利で借入金額が2、500万円と同じでも、会社によって借入のローン金利がけっこう違います。
 一般にインターネット銀行系の会社は金利が低いようです。

 以下はローン金利が1.92%〜3.45%の場合です。
 ローンの借入金利と支払総額

 ローン金利が1.92%の場合の支払総額は3、150万円で、利子分で650万円です。
 ローン金利が3.45%の場合の支払総額は3、735万円で、利子分で1、235万円にもなります。

 ローン金利の差がわずか1.53%しかないので大差ないと思いがちですが、これでも600万の差が出てきます。

 借入のローン金利はコンマ数%でも低くすることで数百万円もの節約ができます。

返済の繰り上げで一括返済する

 ローン返済中でもできるだけ早く残りの金額を一括で返済する事で、より多くの金額を節約できます。

 下の表は借入金額が2、500万円、25年固定金利でローンを組んだ場合で、11、16、21年目に残り全額を一括返済した場合の節約金額をまとめています。 25年間支払い続けた場合を基準にしています。

 ローンの繰上げで一括返済による節約総額

 11年目に一括返済した場合を見てみましょう。
 11年目に一括で支払う金額は、1、581万円と高額です。
 これまでの10年間に支払ってきた金額を合わせると、総額で3、045万円です。これは25年間、支払い続けた場合の3、327万円に比べると約300万円も節約できる事になります。

 16年目に一括返済した場合は、一括で1、076万円支払いますが、これでも約120万円も節約できます。
 21年目に一括返済した場合は、さらに減っていっかつで507万円を支払いますが、節約金額は25万円と減ってきます。

 このように一括返済は、できるだけ早い時期にする事で節約の効果が大きくなることが分かります。

 相続で遺産が入った、株でもうけた 云々、予期せず大きなお金が入った場合は、出来るだけ早く一括返済して借金を完済する事をお薦めします。 早ければ早いほど節約金額が大きくなりますからお得です。

 ここでは1回で全額返済した場合ですが、まとまった金額を数回支払う事も可能なようです。
 一括返済よりは効果が少なくなりますが、毎月コツコツと返済するよりは節約できます。

 尚、ここでは金額の大きい住宅ローンを例にしましたが、自動車やその他ローンでも傾向は同じです。

 ローン返済総額シミュレーションのページでは、ローンの借入金額、ローン金利、返却期間、一括返済する時期 を任意に入力することで返済総額がどれだけ節約できるかシミュレーションできます。いろいろな条件で計算してみることで、自分に合ったローン返済を考えるのに役立ちますので一度お試しください。

年金暮らし前までには借金ZEROに!

 住宅ローンであれば、月当り10万円以上を返済にとられる事になりかねません。

 安定した収入源として年金しかなくなった老後生活では、毎月数万円の返済でもそのまま費用に上乗せされるので、貯蓄が早く減ってゆく事となります。

 ローンが70歳で完済だとすれば、65歳からの5年間に 10万 X 12ヵ月 x 5年間 = 600万円
 を年金をもらいながら返済することになります。

 この600万円ってどうって事ないんじゃない? と思われるかもしれません。
 そうでしょうか。 以下、考えてみます。(ホームページ 老後の生活費 より

    年金の平均額は、一人暮らしで10.4万/月、 夫婦暮らしでは19.1万/月
  ー 標準生活費は、 一人暮らしで15.4万/月、 夫婦暮らしでは26.9万/月
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            一人暮らしで−5万/月、  夫婦暮らしてでー7.8万/月   

 年金よりも生活費の方が多いので、年金だけで老後を暮らしていくことは困難です。
 この差額を毎月の貯金 等から支払うことになります。

 70歳までのローン返済額、600万円があれば
   一人暮らしで 600 ÷ 5   = 120ヶ月 (10年間)
   夫婦暮らして 600 ÷ 7.8 =  77ヶ月 (6.4年間)

 一人暮らしなら10年間、夫婦で6.4年間も暮らせる金額に相当するのです。
 老後を無理なく生活できるかできないかは、毎月の返済が有るか無いかにかかってきます。

 やっと住宅ローンが完済して正式に自分の物になったのに、貯蓄が減って毎日の生活が厳しくなるという事態になりかねません。(最近ではこのような場合はリバースモーゲージを利用できるようになりました。)

 結局ローンを返済できなくなった場合は競売にかけられ、これまで高い利子を払い続けてきたマイホームを手放すことになります。最悪の場合、老後破綻になるかもしれません。これほど悲しい事はありません。

 住宅ローン等 いわゆる借金は、年金暮らし前に必ず完済しておく事を強くお薦めします。